礎(いしずえ)
「礎」(いしずえ)という言葉を聞いたことがあると思います。もともとは建物の柱をのせる土台石をさし、そこから「物事を成り立たせる根本のこと」という意味が出てきました。「礎」は、私たちがよく使う「基礎(きそ)」の「礎」に当たる語です。人の手によって<形>が与えられたものには、<礎>となるものが必ず在ります。ダービー日本人補習校にもそれが在ります。
学校というものは、最初から出来ていたわけではありません。学校の<かたち>を作っていこうとしたとき、そこに関わった人々は大変な苦労をされます。学校を作ろうという思いや情熱、取り組みの苦労や多くの人々の協力、それらが<学校の礎>にあたります。ダービー日本人補習校は1991年6月1日開校しました。1996年に発行された「創立5周年記念誌」に寄稿された設立準備委員会や運営委員会や保護者の皆さんの文章を読むと、当時の大変な苦労が分かります。
例えば、それまでダービー地区に在住していた児童生徒はテルフォード日本人補習校に往復4時間かけて、最初は個人でやがてはバスで通学していました。その児童生徒は50名。さらに増加するとの見通しで、1991年の1月にダービー日本人補習校の設立がイーストミッドランド日本人会で決議されたのです。学校を作るためには、「作ろう」という、多くの人の思いをまず結集させ、自分たちの学校の形を調べ、論議し、そして校舎・教室・机・椅子・教材教具という<もの>、指導する先生、事務を担当する<ひと>、指導する内容を学年別学期別にまとめたカリキュラムや行事などの実施計画、運営に関する様々なきまりという<教育の中身>、さらに運営を支える多くの<お金>をそろえていく事に取り組みます。ダービー州やダービー市、ダービーカレッジ、在英日本大使館、テルフォード補習校など様々な人々の協力を求めて1991年6月の開校までに大変な努力が続くのです。これらが在って、今のダービー日本人補習校があるのです。設立準備委員長であり開校時の運営委員長鈴木国隆さんは開校式を迎えた時のことをこう書いています。
「振り返ると、なんと多くの皆様の情熱とご支援、ご協力の下で成り立ったことかと改めて痛感し、力添えを下さった皆様への感謝の気持ちを忘れることは出来ない。」
そして、来年、創立20周年という節目を迎えます。そこで、今までの歴史を振り返り、感謝し、祝い、補習校の今後の発展につなげていくため、20周年記念式典実行委員会を立ち上げ、活動を始めました。
さて、1996年から14年間、高等部で数学を担当していた崔宏昭先生が本日をもって退任されます。崔先生も、補習校を支えてくれた大きな一人でした。
校長 田中 浩一
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